※今朝の円山公園(雪が少なく歩きやすい)
こんばんは。
北海道札幌市中央区の税理士 板倉圭吾です。
今日は私のタイムチャージを聞かれたときにお伝えしている金額について。
お問い合わせがあった場合には、1時間36,000円とご案内しています。
計算の根拠を記してみようと思いました。
※個人の見解です。
⓪タイムチャージとは
税務顧問は、期間を定めない契約です。
毎月の試算表を完成させることや、税務申告を行うこと、適正な税務申告環境の整備による安心感などが成果物となります。
また、数年とか数十年単位でのお役立ちを前提としてとおり、毎月報酬をお支払いいただくことを原則としています。
顧問契約の場合、報酬の目安はHPに記載しています。
毎月訪問を前提とした場合には(税込年額としては)法人さまで85万~110万円程度、個人事業主さまで60万~80万円程度のお見積りが多いです。
それとは異なるケース、例えば単発のコンサルティングもメニューには載せております。
またメニュー掲載のサービスに限らず、「1時間いくら」というような請求の仕方をタイムチャージと呼んでいます。
成果物ではなく、時間の経過によって対価を得ることが税務顧問との違いです。
ステップ①タイムチャージでもらいたい年間総額30,000,000円
おかげさまで、税務顧問としてある程度のお仕事を依頼していただいております。
ステップ①では、その顧問報酬をベースラインとしてタイムチャージでお役立ちするべき金額を考えます。
この金額だったらお引き受けしようと思える金額です。
具体的には、「全枠の20%が稼働したとして1件の月額顧問報酬上限と同じくらいになるか」という考え方を採用しています。
現在の設定上限500,000÷20%=2,500,000円です。
私の現在の設定は月額2,500,000円。
年額では30,000,000円です。
開業当初よりは増額しています。
ステップ②タイムチャージに使える年間総時間832時間
お引き受けしている税理士業務を全うすることを前提とした場合、
週に2日、8時間×2日=16時間が顧問報酬以外(タイムチャージや社会貢献)でお役立ちできる上限時間だと捉えております。
税理士業務に週4日は費やしますので、プラス2日。
週6日勤務が前提です。
全部を使うと疲れちゃう。365日全部を仕事の枠に差し出すことは潔しとしておりません。
週16時間がタイムチャージ業務の根源です。
要は、
- 「税務顧問を効率化すること」で捻出する1日
- 「家族に理解を得て週末に仕事をする覚悟」で捻出する1日
の2日間(16時間)の価値を金額で換算するということですね。
年間で計算すると、
52週間×16時間=832時間となります。
ステップ③金額÷時間で1時間当たり単価を出す→1時間36,000円
30,000,000円÷832時間=36,057円と計算が出ました。
なので、私が1時間あたりで従事する際の金額は36,000円をベースに考えることになります。
個別コンサルティングはこれまで90分33,000円でご案内しておりましたが、本日付けにて金額改定を行いました。この計算結果とは見合わないからです。
新しい金額は90分54,000円(税込)に設定しました。
税理士の経験値が上がることによって、金額が改定となることは正当だと思っております。
ステップ④繁忙期加算もある→1時間60,000円
今の時期、1月から3月は税理士にとって繫忙期と呼ばれています。
税理士の個人レベルに関係なく、税理士業界全体のお引き合いが高い時期です。
私のところにも突然知人レベルの方から税務についての連絡が来ることがあります。
しかし、そのような方に前述のタイムチャージ36,000円はお示しいたしません。
なぜなら、もっと前から定価で待ってくださる方がいるから。
私の場合、個人所得税の確定申告は申告の2年ほど前からお申し込みをいただきます。
「来年から個人事業を始めるので」
とか
「今年までは自分で申告しますので来年から」
などといった方の予約お申込みがあるのです。
そのような事情の下に、突発的にご連絡をいただいた場合は繁忙期加算をいただきます。
こちらの事情と、相談者様の事情は対等であるべきです。
お待ちいただいている他のお客様との兼ね合いもあります。
アミューズメント施設のファストパスのように捉えていただければと説明して、1時間60,000円をご案内しています。
まとめ
このような金額をお示しすることには理由があります。
- 「ちょっと無料で教えて」といった専門家への敬意を欠いた方からの依頼をシャットアウトしたい
- ここまでの知識を習得するのに要した時間についても理解をしてほしい
- 金額は相対(あいたい)で決まるものであり、相談者様の相場観に支配されるものではない
- (こちらの善意で)社会貢献で奉仕している時間についても、コスト意識を働かせてほしい
- 何か商品を売り込む営業相手としてアポイントを要求する方(生命保険営業マンや会計ベンダー職員など)にも、コスト意識を働かせてほしい
ということです。
もちろん、こちらが理解できる事情がある方にはお値引きも検討します。
ただ、「タイムチャージの金額と計算根拠」をお示ししておくことは重要ではないでしょうか。
皆さんも自分の値付けを考えてみましょう。