※今朝の散歩にて@札幌市中央区
税理士のサポートと経営者の自立について考えてみた
おはようございます。
北海道札幌市中央区のイクメン税理士 板倉圭吾です。
今日は、「税理士のサポート」と「経営者の自立」のバランスについて考えてみます。
言い換えると、税理士と経営者の関係についてです。
フリーランスへの発信を強化している理由
今年になってからフリーランスへのセミナーを開催しています。
それは札幌市内で手掛けている税理士が少ないと感じたからです。
とりわけ、フードデリバリー配達員やフリーランス理美容師の方でお困りの方が多い印象です。
セミナーや個別コンサルティングに参加いただいた方からは、
- ミニマムなビジネスで、税理士への報酬を払う余裕がない
- ネット情報で税務は何とかなりそう
- そもそも税理士との接点がなく、何となく怖そう
などの意見をいただきました。
他方で、私とのセッションを受けていただいた後には
- 経費について説明を受けたが、ここまで踏み込んだネット記事はなかった。
- freeeの使い方を具体的に教えてくれた。仕訳コピーを教わったので来年は自分で出来そう。
- 現金のマイナス残高を修正する方法がわかりやすかった。
- なにより、親身で穏やかなので安心して何でも聞けた
などのありがたいご感想です。
何とか自分で完結させようと調べているフリーランスに、税理士のサポートをちょっとだけプラスする。
そういうイメージです。
税務顧問で意識していること
顧問契約のお客様はフリーランスへのスポットのサポートとは違います。
長い期間を同じゴールを目指して帆走するイメージです。
とりわけ創業から関わっている場合に、最近意識しているのが「経営者の自立」という観点。
税理士の側は、何度も創業支援を行っていると経営のキモの部分が何となく見えてきます。
建設用語で言うと「ヒヤリハット」を経営者が気づく前に説明してしまうイメージです。
「つまづきそうな石を取り除いた道路を経営者に準備している」とも例えられるかなぁ。
開業してすぐは、その先まわりへの感謝にやりがいを感じておりました。
でもある時に、コンサルタントの榑松貴さんに「お客様の自立について、どう考えている?」と問われました。
それ以来、税理士と経営者の関係についての自問自答が始まったのです。
青木先生の原則
質問型営業コンサルタント青木毅先生、ポッドキャストをよく聞いています。
青木先生はコーチングの2原則についてこう解説しているのです。
コーチングとは、「相手のサポート」です。
コーチングの2大原則は
1.すべての人間は、自分に起こる問題を、自分ですべて解決できる。
2.すべての人間は、問題を明確にすると、それを実現するための能力を用意する。
この原則を意識しないと、気がつけば相手の自己治癒力や、自己の潜在能力を引き出す手助けをしているのではなく、「こちらの能力」で解決しているだけになってしまいます。
それは、そのときは良かったように思うのですが、相手の依頼心を増長することになるだけなのです。
「こちらの能力」ですべてを解決することは、長い目で見ると税理士と経営者の関係をいびつにするかもしれない。
そう気づくことができました。
現在、顧問契約で考えていること
会計や税務のテクニカルな部分を経営者が理解する必要はないと思っています。
経理担当者と税理士がタッグを組んで解決していけばいいでしょう。
でも、経営課題全般に関しては経営者が解決していかなければならない。
- 私のすべての経験を活用し、財務や税務に関するモヤモヤした不安を解消していただく(「任せて安心」の土台づくり)
- そうすることで経営者が事業に集中する環境を構築する(土台の上に建屋を置くイメージ)
というイメージで臨んでいます。
こう整理することで、お客様からの相談が土台に関することなのか、建屋に関することなのかを踏まえたサポートができるようになりました。
とりわけ創業間もない経営者にこのようなイメージを共有していただくことも税理士の役割ではないでしょうか。
建屋こそ、「経営者の自立」です。
私は、その自立を支える土台でありたい。そう考えています。