こんにちは。
北海道札幌市中央区のイクメン税理士 板倉圭吾です。
今日は新規商談において、私が気を付けていることをご紹介します。
簡単に面談できないこの状況で、ミスマッチをできるだけ避ける工夫です。
同じようなことで悩んでいる税理士の参考になると嬉しいです。
現在の板倉事務所の状況
おかげさまで、開業4年目を過ごしておりますが、法人及び個人事業主の税務顧問が増えております。
いわゆる法人年イチには対応しておらず、「書面添付ができるレベル感で顧問となる」商談だけを受け付けている状況です。
その上、(十分に自覚していますが)「注文の多い税理士」です。
- 電話連絡は対応しません(契約書に明記します)
- 面談のアポイントは平日9-17時で事前予約必須です
下記の条件についても面談前に確認しています。
- 決算月(法人11月~3月決算は現在受付しておりません)
- 業種(社会保険から診療費等を受け取る業種、不動産業、輸出入がメインの企業などは現在受付しておりません)
- 納税意識(「万年赤字で納税しないのが理想だけれど、いざという時に資金調達はできると嬉しい」という希望にはお役に立てません。しっかり利益を出して適正な納税をする方にお役立ちします)
- 顧問予算(「今まで頼んでいた渡り鳥税理士補助者と同じ価格でやってほしい」は難しいです)
- 無意識下での言葉遣い(「税理士を使う・雇う」「融資を引っ張る」「(従業員のことを)ウチの子は…」など、私が苦手な言葉使いが多いとムムッとなってしまいます)
新規商談の経路
現在、新規商談は圧倒的にご紹介が多いです。
その場合、上記のような「注文」をご理解いただいているので安心に進められますよね。
一方で、これまで税理士紹介freeeからのお申込みで顧問契約を結ばせていただいたお客様もいらっしゃいます。
くりおこさんはfreeeの記事としても取り上げられました。
他にも、API連携だけでは記帳が十分に進められず、「板倉事務所に出会えて良かった」と言っていただけるお客様(ネット通販事業のお客様)を紹介いただいております。
紹介freeeからの問い合わせで気を付けること
①複数問い合わせが前提である
(1)お客様からのお問い合わせの場合
税理士紹介のサイトではお問い合わせボタンが実装されています。お客様が自分の希望で絞り込んだ税理士に複数問い合わせすることは当然の権利ですよね。
自社の顧問税理士をガチャ気分では選べないことはよく理解できるからです。
(2)運営側による紹介の場合
運営側としてはプロダクトを気に入っているお客様が長くfreeeを使うことが使命であり、それにコミットする税理士を紹介したいのです。
お客様に選んでいただく前提で税理士に対して複数問い合わせを行います。
②電話連絡をしなくてはいけないことがある
税理士側が、「電話対応はしない」と決めていてもそれに沿った紹介だけが来る設計にはなっていません。
この辺は以前から指摘していますが、修正されていません。
③返信しても商談が進まないことがある
お問い合わせフォームに返信しても、それで途切れてしまうことがあります。
せっかく推敲を重ねたのに…と悲しい気持ちになることもありますよね。
④ミスマッチが生じることがある
上記(決算月、予算など)に対する弊所の制約はお客様には何の関係もないことです。
紹介であればワンクッション置けるのですが、ダイレクトにつながることでミスマッチが増えます。
また、お客様の方で税理士に何を期待するのか、事業内容をどのように伝えるのかについて未整理であることも考えられます。
お客様の言葉で、事務所が設定した条件を確認するだけの文章がお問い合わせ時に書かれていることはまずありえません。こちらの期待値は上げない方が良いでしょう。
板倉事務所の解決策
①複数問い合わせの土俵に載らない
お問い合わせボタンは非表示にしています。
「詳しくはこちらをご覧ください」とブログURLを貼っているので、freeeサイトから出ていただき、あえて弊所お問い合わせフォームに来ていただく導線としています。
プラットフォームでの比較容易性とコンタクト容易性をあえて避けることで、同じ土俵から離れることを意識しましょう。
②SMSで連絡する
「板倉事務所です。お問い合わせありがとうございました。」
と掲載の携帯電話番号にショートメールを入れることにしました。これだと私の苦手な同期コミュニケーションではなく、非同期で対応できます。
どうせ税理士会で検索したら私の携帯電話番号は検索できるのだし、パブリックなものと割り切っています。
③やり取りが途切れる原因をつぶしていく
(1)よその税理士との商談が進んで、放置している
(2)スパムセレクトなどそもそも返信に気づいていない
(3)経理社員を採用した結果、社長がこだわっていたfreeeではなく、経理社員が馴染んでいる弥生やMFなど他の会計ソフトに変更することになった
(4)税理士探しどころではない状況になってしまった
割と多いのが(2)です。freee上のお問い合わせフォームに返信コメントを入れても、通知メールがスパムセレクトされていることがあります。
先ほどのSMSにメールアドレスを入れることで、プラットフォームから脱出してダイレクトにやり取りしてみましょう。
また、(3)や(4)の状況についてもプラットフォームから脱出してコミュニケーションを取ることで、お役立ちできることが増えるかもしれません。
④ミスマッチ回避のためグーグルフォームで事前アンケートを取る
以下にメール本文をご紹介します。
税理士の板倉です。
この度はお問い合わせありがとうございました。お見積りについてですが、業種や決算月、経理処理の内容などによって個別にご提案しております。
【はじめに】
下記の内容については一般的な税理士事務所とちょっと異なるので先にお知らせいたします。
・電話でのお問い合わせは緊急時などに限らせていただき、チャットワークなどのITツールで連絡を取り合う環境を構築しております。
・面談については、平日の9:00-17:00の枠内で事前調整させていただいております。
・ひとり税理士事務所としてすべての対応を税理士板倉が行います。そのため決算期によってはお役に立てないこともございます。【報酬の目安】
目安として毎月訪問(zoom対応可能です)する場合、月額顧問料50,000円(消費税別)となっております。
freeeの会計チェックとチャットワークでの税務相談のみの場合は月額顧問料25,000円(消費税別)です。
ここに、決算報酬や給与計算、年末調整などを加味します。
年間顧問総額としましては60万円から80万円でのご提案が多いです。【お見積りご希望の場合】
グーグルフォームのURL
上記のフォームにてお見積りに必要な質問事項をご用意しています。
私はひとり税理士ですので、「ミスマッチを顕在化させるための面談」はコロナ以前から避けておりました。
さらにコロナ禍により、その傾向は強まっております。
それは、「お客様の大切な時間をミスマッチ商談のために費やすのが申し訳ない」という意識であり、「私が無駄な時間を使いたくないという意味でない」ことは明確にしておきます。
逆に相互の条件がマッチングしていれば、相手のことを「信頼に値する納税者・税理士」と判断するための時間を十分に使っていくべきだとも思っております。
まとめ
お客様は、手間をかけずに税理士を探したいと思っているのでしょうか?
少し手間をかけても、本気で信頼できる税理士を探したいと思っているのでしょうか?
翻って我々も新しいお客様との出会いについて、どのような価値観を持って臨むべきかよく考えておくべきだと思います。
板倉事務所では、ご面倒でも事務所HPとブログをご覧いただき、「板倉の人となり」を良くご理解していただいたうえで商談を進めたいと思っております。
それは既にご契約しているお客様との約束でもあります。
顧問となった際に、「既存の客よりも新規商談にリソースを割いている」とは思わせません。
【編集後記】
先週、執務時間びっちりの立会業務があり、顧問先のお客様からのお問い合わせに対してレスポンスが遅れることとなりました。
事前にお客様にはお伝えしていたのでご理解いただいていたのですが、お客様ではない方からの「電話やzoom打ち合わせ要求」などに困惑しておりました。
現在、鋭意大切なお客様のために活動しております。
「無料で今すぐちょっと教えて」は、お客様への価値提供が終わるまで取り掛かれません。悪しからず。
【編集後記2】
子どもと一緒に任天堂の公式YouTubeを見ていました。
ピクミン、面白そうです。
ただ一方で、全然違う発想が出てしまいました。
笛を吹いている事務所所長が、ピクミン(職員)を代替可能なものと捉えて使い捨てしていく様子です。
どこの業界とは言いませんが、まだまだそういう話は聞きます。
この発想が出てしまったので、連休用ゲームとしてダウンロードするのはやめにしました…