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財務、融資

飲食店がキャッシュレス決済を導入する時に気を付けてほしい財務指標<№401>

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※除排雪があると登校が心配です

 

キャッシュレス導入時に気を付けること

おはようございます。

北海道札幌市西区発寒のイクメン税理士 板倉圭吾です。

今日の札幌は午後から荒れるようですね。

子どもたちの下校時間が穏やかであるといいのですが。

 

さて今日の記事は、このtweetに示唆されました。

【元ツイート】
佐藤けいすけ@決算書を使わない財務コンサル、社長の想いを数字にする
@stkeisk

飲食店におけるキャッシュフローの視点

これまでは
仕入れ費用の支払い前に
売上の多くが現金だったから
また余裕があった

しかし
キャッシュレスが普及してくると
キャッシュが入ってくるのが遅くなり
仕入れの支払いと逆転することも

経営者の仕事が変わってくる
ドンブリ経営では生き残れない!

 

流動比率という財務指標

資金繰りについて銀行や税理士などが分析する指標として「流動比率」というものがあります。

流動比率=流動資産 / 流動負債 × 100%

例えば、ツイートで例に挙げられている飲食店の場合では

  • 流動資産(現金、預金、売掛金)
  • 流動負債(買掛金、未払金、短期借入金)

の割合を調べます。

「すぐに現金化できるものと、すぐに支払わなくてはいけないものがどういうバランスで存在しているのか」

をパーセントでわかるようにするのです。

 

飲食店の流動比率はどれくらい?

手元の資料によると、売上高5000万円未満の飲食店であれば、

  • 黒字企業  平均140%程度
  • 赤字企業  平均45%程度

と、この指標で圧倒的な差が出るのです。

ちなみに、3年連続黒字レベルになると400%くらいあります。

 

流動比率が高ければ(そしてそれが現金で即日入ってくるならば)、「毎日の支払いができるかを気にせずに、月末の預金通帳がどれくらい増えたか」で経営できるのです。月繰り(つきぐり)なんて言ったりしますね。元ツイートではこれをドンブリと表現していました。

一方で、比率が低ければ「今日の売上金で、明日の仕入資金が足りるかな」というような心配が出てきます。日繰り(ひぐり)と呼ぶ方も多いでしょう。

 

流動比率が変わらないのに経営が苦しくなる?

ここで冒頭のツイートです。

これまで現金でお客様から売り上げをいただいていた飲食店が、キャッシュレス決済を導入した場合を考えてみましょう。

その日に現金や預金になっていた資金が、売掛金として一旦決済会社に行ってしまいます。そして、翌月の指定日(会社によって違う)に入金されることになるのです。

そうすると、流動比率が変わらないのに翌日の仕入れに使えるお金はレジにないことに…

カード決済でたくさんの売掛金があって、流動比率が400%あったとしても日繰りに苦労されることもあるかもしれませんよね。

 

売上債権回転期間という指標

そこで、キャッシュレス決済を導入した会社様には、「売上債権回転期間」という指標をお伝えしています。

売上債権回転期間 = 売掛金 / 売上高 × 365日

(※簡便的に「手形取引はなし」と仮定)

「平均的にどれくらいの期間で売掛金が現金化されるのか」を日数でわかるようにするのです。

同じく統計データによると、過去のこの指標は黒字赤字問わず4~5日となっております。ここで利益状況に差がつかなかったということです。

これまで、(現金決済が主であったであろう)「売上高5000万円未満の飲食店」にとってはこの指標はなじみがない方も多いと思います。

 

解決策はあるのか

現金からキャッシュレスに移行する過渡期、1ヶ月遅れて入金になるので資金繰りが厳しくなります。

それを超えると少し落ち着きますが、季節によって売上変動が大きい業態の場合は、「仕入資金が先に出ていってキャッシュレス決済の入金が後に入ってくる」という心配は尽きません。

 

解決策として、債権の買い取りサービスなども出てきました。

いわゆるファクタリングですね。チャットワークも採用しています。

 

個人的には、手元のキャッシュを確保して、資金の持ち出しに耐えられる財務状況にすることをオススメしたい。王道の解決策だと思います。

(そのための運転資金確保で銀行借入できる場合もあります)

 

まず、キャッシュレス決済を導入した後の「現金売上」と「キャッシュレス決済」の比率を確認しましょう。

そして、回転期間がどう変化したのか把握してみるといいでしょう。

そもそも、月末まとめて請求書を送る「ツケ」を認めていて、それが「クレジットカード」になるというならば影響は少ないですよね。

 

新しくキャッシュレス決済を導入したお客様には、このような財務指標を用いて、手元現預金を確保することの重要性をお伝えしております。

 

 

【昨日までのIKUMEN飯】

 

-財務、融資

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