※今朝も元気に登校してくれました
おはようございます。
北海道札幌市のイクメン税理士 板倉圭吾です。
朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。
さて、今日は「公務員(税務署以外)が開業税理士を志すのは無謀なのか」というテーマを考えてみます。
逆算思考で考えよう
現状、公務員で転職を考えている方に向けて書きます。
お伝えしたいのは、「逆算思考で考えよう」ということです。
①開業後に食べていけるようになるの?
ここがスタート地点ではないでしょうか?
どのような事業でも一緒ですが、100%の保証はありません。
しかし、確率は他業種よりもかなり高いと感じています。
机上の空論で悩まずに、個別コンサルティングや書籍など、惜しまずに情報を集めてみましょう。
公務員の職業経験や想像を超えた世界があることに驚かれることと思います。
(かつては、エッサムとかTKCとか船井総研などが幅を利かせていたと聞きました。今から検討される方はたくさんの選択肢があるので安心ですね。ディスってないよ。)
また、逆算のファーストステップであるこの時点で「開業で得たいもの」をリストアップするといいと思います。
- 感情(登録税理士になるとどんな気持ちになるのか、家族はどう感じるだろうか)
- 収入(買いたい物、乗りたいクルマ)
- 時間
- 人生の意義(職業を通じて社会に何を提供できるか)
- 健康
②実務経験を積むことができる?
私は官報合格後に公務員を辞めて税理士事務所に就職しました。
鈴江所長との出会いは幸運でしたが他所からの内定もあり、退職前にどこかに転職できる状態でした。
公務員の転職にもアピールポイントがあります。
- 公務員採用試験をパスしているということは最低限の憲法や民法の知識があるということ
- 法律、条令などに基づいた事務を執行できること
- 来庁者対応などで(職種によっては)修羅場を経験していること
- 人事異動によって、未知の業務を覚えていくという場数は多いこと
ちなみに、採用面接の際に厳しいことを言われた場合、①セレクションのために圧迫面接で本音を引き出そうとしている方と、②採用する気がないのに目の前の応募者(公務員)をボコボコにしてストレス解消する方がいることを思い出してください。人事院面接とは違って面接者を見極める必要があります。②の場合はすぐに帰りましょう(笑)
本音を引き出そうとしている方には、自分の言葉で以下のことを伝えてください。「公務員には、神輿(やるべき仕事)を本気で担いでいる奴と、担いだふりするやつがいる。私はこのような具体事例から前者である」と。
税理士は、税務署とのやり取りで一般国民よりも公務員に対する理解が深いです。即戦力(税務署退職者)ではなくとも仕事の基本ができれば習熟が速いということを知っています。
③資格に合格できるかな?
年齢や家族構成、ライフイベントなど百人百様の事情があると思います。
できれば、現在税理士試験受験生にヒアリングするのはチャレンジを決めてからの方がいいでしょう。(登山の途中の方が、すそ野にいるよりも山頂が見えなかったりする)
まずは試験合格者にヒアリングできるといいですよね。またはそれをサポートした資格学校の方。
④今の仕事を定年まで勤める?
皆さんの仕事は、誰かが担わなければならない大切なものです。
私も行政機関に属する行政官の誇りを感じて仕事をしていました。
でもその行政官の有効期限は決められています。定年で終わりです。
それゆえ「その行政機関に属する同じ職種の行政官」であれば誰でも代替可能であることが大前提であり、「Aさんでないとできない」という性質ではないでしょう。
税理士の仕事は、個人的国家資格に裏付けられた仕事であり、定年も転勤も、開業してしまえば関係ありません。
私が最近熱く語っている「価値提供」も自分でどこまでやるかを決めることができます。
他方で、開業税理士(を目指す道)にはリスクもあります。
- 試験になかなか受からなくて挫折するかも
- 官報合格しても実務経験を積めないかも
- 開業税理士になっても食べていけないかも
④から考え始めると、ネガティブがたくさん襲ってきます。
皆さんの大切な人生です。一度、逆算思考で考えてはいかがでしょうか?
追伸 行政官全てが税理士に転職してほしいと思っているわけではありません。事業会社への転職で活躍されている方も知っておりますし、定年まで勤めることも当然素晴らしいことです。
ただ、「公務員(税務署以外)が開業税理士を志すのは無謀なのか」という問いへの、私なりの回答を記そうと思った次第です。
【編集後記】
昨日、厚労省の事業をお手伝いしている関係で官庁訪問をしました。
古巣の札幌中央労働基準監督署です。
以前、一緒に勤務していた方々がいらっしゃり、たくさんの方にご挨拶できました。
「5年前にはここに座っていたのだなぁ。そして公務員(税務署以外)が開業税理士を志すのは無謀なのかと自分自身が思っていたなぁ」という感慨も。
それが、この記事の出発点です。