公庫融資を多くお手伝いしています
こんにちは。
北海道札幌市西区発寒のイクメン税理士 板倉圭吾です。
2月以降、多くの運転資金融資をお手伝いしました。
すべて顧問契約をいただいているお客様の案件であり、公庫融資が多いです。
その際に、顧問税理士として意見書を添付するようにしています。
「当社が現在、資金が必要であり、金額が適正であり、返済が可能であると判断します」という意見をお伝えするためです。
虚偽記載がない証として、職印も押します。
ずーっとお付き合いをしている税務顧問先だからこそわかる情報を一元的にまとめます。そのまま公庫内部の稟議にも使っていただけるのです。
※税理士意見書は公庫融資の必要書類ではありません。私が任意で作成しているものです。
内容① 概要
- 創業年月日
- 法人化年月日
- 主たる業種
- 主たる得意先
- 同業他社と比しての長所(生産性や利益率など)
- 関与したタイミング
など、会社の内容がわかるように書きます。
「ひとことで言って何してる会社?」「何が強みなの?」に答えましょう。
内容② 売上推移
年間の売上推移を記載します。
会社の成長カーブを可視化しましょう。
去年まで、順調に推移していたのだな。(景気回復後には、またこのカーブに近付いていくんだな)と判断してもらう意図です。
成長期企業の場合は、前期決算~2019年12月までの売上も記載して進行期(足元)の規模感も忘れずにお伝えします。
内容③ 資金需要
a 売上の減少
コロナ禍での資金需要は、多くの場合、売上減少分で不足した固定費を補填する運転資金であると言えます。
そのためにコロナ対策融資で重視されるのは月次の売上推移です。
コロナの影響がいつから出たのかを可視化します。前年同月比の減少率で、公庫融資やセーフティネット融資は様々な優遇を講じています。
b 固定費をカバーできるか?の検討
その上で、給料・仕入れ・家賃など実際に払う必要のある金額を記載します。
仕入は、売上が下がった場合に減少することが多く「変動費」と呼ばれます。
家賃や給料は、売上に関係なく支払うことが多いので、「固定費」と呼ばれます。
例:売上の減少に伴い固定費(給与100万/月、家賃20万/月)の支払い原資が必要である。
減少した売上が、固定費をカバーできない状況こそ、資金需要で多く見られるパターンです。
影響がどの範囲に及んで、大変な現状であるかを伝えます。
※減少した売上でも固定費をカバーできる状態であっても、資金調達は可能です。
今後の先行き不透明な状況で、「手元流動性を高めたい(預金残高を多くしておきたい)」という考えも立派な資金需要だからです。
内容④ 業況の回復根拠
融資の原則は、借りたら返すです。
景気回復後にきちんと返せる先にしか融資は認められません。これはコロナ対策融資であっても一緒です。
そのため、回復根拠を示しましょう。
ストラック図などの利益構造は説得力があります。
あとは、前回不況後の利益推移なども。
でも、現在の情勢であればなんでもいいと思います。
例えば飲食店であれば、「常連客が多くいる」とか、「SNSで応援が届いている」とか、そんなレベルでも書きましょう。
据置期間の必要性
「いつ頃に元に戻る見通しかわからない…」
今回はそういう声に金融機関も応えているのです。
元金支払い開始を1年後から始めるなどの据置期間を広く認めてくれています。
内容⑤ 税理士意見
上記を受けて、
- 事業の成長性
- 経営努力(家賃の引下げ要請や、従業員の自宅待機など)
- 資金使途の妥当性
- 金額の妥当性
- 返済の確実性
について、コメントをしましょう。
まとめ
これだけ融資が殺到している状況では、担当者も目の前にあるもので処理を進めたいと思うことでしょう。
「税理士意見によると、」
と、稟議に書けるだけで助かる
とのフィードバックがありました。
ここに書いてあることは、誰にでも思いつく内容です。
従来、融資をお手伝いする際には面談などで金融機関担当者にお伝えする内容であります。
しかし、顧問税理士が、認定支援機関が、という枕詞で担当者の処理が進むのであれば、添付することの効果はあるのではないでしょうか?
いま、関与先にできるお役立ちの一つだと思い、PDFを公開します。