おはようございます。
北海道札幌市西区発寒のイクメン税理士 板倉圭吾です。
確定申告の期限である3月15日が終わりました。今日は疲れがどっと出て起きられない会計業界関係者も多いことでしょう。
さて、今日は退職金を一時金で受け取る際に控除される住民税とふるさと納税の関係について考えてみましょう。
退職金から控除される税金の種類
退職金が支給される場合に3種類の税金が天引きされる可能性があります。
- 所得税
- 住民税(市区町村民税)
- 住民税(都道府県民税)
早期退職勧奨による割増退職金を受け取るなど、場合によっては、その額の多さに驚かれることもあると思います。
(今回、どの税目がいくらかというのは、省略します)
そこで、この天引きを「退職金受け取りと同じ年にふるさと納税すること」で取り返せないか?と考えちゃいますよね。
「ふるさと納税で節税」の意味
「ふるさと納税で節税」の意味は、その年の所得税の税額控除を受けることができ、翌年の住民税から税額控除されることです。
自己負担2,000円を超える部分について、という前提はあるものの、地域の特産品などを受け取りながら節税効果があるといった点からあっという間に普及しました。
さとふる にも詳しい説明があります。
退職金から控除される住民税の考え方
住民税の基本的な考え方
前年中の所得に対してその翌年に課税する
(前年所得課税主義)
というものです。私も銀行を退職して、公務員試験に向けて勉強している(つまり無職だった)ときに、住民税の通知が届き悲しい気持ちになったことがあります。
※ 所得が一定以下の場合は、住民税が非課税になる可能性がありますので区役所などで相談しましょう
今回、(去年の一年間の所得をまとめた)確定申告を終わらせた方も、それを受けて「今年はいくらふるさと納税をしようか」と検討されていると思います。それが、前年所得課税主義の効果です。
退職金の住民税はちょっと違う
退職所得は、他の所得と分離して退職所得の発生した年に課税する
(現年分離課税主義)
これは、「退職金を受け取る」というのが一生でもあまりない特殊な状況であること、額が大きいことから前年主義では払えない人が出てくると配慮されたと言われています。
そして、 所得税の源泉徴収の対象である場合、住民税も分離課税で控除されます。つまり、退職金から天引きされているということです。
※ 上記以外の場合、翌年度において住民税(所得割)が課税されることもあり得ます。
これから、退職金を一時金で受け取る予定のある方で、会社が試算をしてくださった方もいるでしょう。
試算に、控除額が記載されている方が今回の記事をお読みくださっていることと思います。
分離課税とふるさと納税
これまでの条件・解説を踏まえ、結論です。
退職金にかかる所得税・住民税が「分離課税」に該当する場合は、ふるさと納税の節税効果は及ばない。
所得税
総合所得の所得控除としてふるさと納税額が使われるため、分離課税の退職所得には影響を与えないためです。
住民税
分離課税で源泉徴収されるため、ふるさと納税の影響を受けない。
いかがでしょうか?
なお、今回の記事は札幌市在住の方からのお問い合わせに対する回答をベースに記事にしました。お住いの地域によっての住民税の取り扱いの違いなどの差異につきましては責任を負いかねますのでご了承ください。
【編集後記】
昨日は、午前中に新規商談。会計freeeによる月次顧問です。
午後は、3月申告法人の決算申告書を完成。
予定通り、確定申告をまったくやらない一日でした。夜は、 娘の保育園友達家族と夕食に 。
【昨日の1日1新】
Amazon Fire TV Stick (従来使っていたモデルが動作不良を起こすようになったため、Alexa対応モデルを購入 板倉家の子どもたちにとってはsiriに次いで音声入力ができるIT家電)
エゾバルバンバン 宮の沢店 (メニューが多彩で、美味しかった)