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【イクメン税理士のこだわりBest10】あえて「税理士事務所なのに〇〇しない」を選んでいる理由<№410>

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※塗り絵をする娘(ナショナルジオグラフィック誌の付録)

 

「税理士なのに〇〇しない」

おはようございます。

北海道札幌市西区発寒のイクメン税理士 板倉圭吾です。

札幌は風が強い。今日は自宅で仕事&子どもたちと遊びます。

 

さて、今日の投稿は「税理士なのに〇〇しない」を10個紹介するものです。

今後、考えが変わることもあると思いますが今思っていることを率直に書きます。

 

①税理士なのに固定電話がない

名刺交換で驚かれるのは、固定電話の記載がないことです。

実際のところ、光回線を利用しているので固定電話番号を取得することのハードルは低いです。

しかし、ひとり税理士として活動していくに際し、固定電話の必要性を全く感じませんでした。(「全く」です

しかし、税理士事務所は税理士会に電話番号を登録しなくてはなりません。そして、それは一定の方法で検索できます。

固定電話だと気軽に電話してくる方が多い印象です。

 

固定電話を持たないのは(税理士紹介会社などの営業を念頭に)いつでも電話での対応を求める方と距離を置くためでもあります。

電話で仕事をせざるを得ない方には申し訳ありませんが、板倉事務所はお付き合いできません。

 

ビジネスに電話を使うことの是非についても後述します。

 

②税理士なのにFAXがない

FAXの使い道は、資料の送受信などでしょうか。

でもFAXとして受け取った時点で、エクセルやワードは編集可能なデータではなくなります。

それをまたデータ化することは不毛な作業ですよね。

そういう意味で前時代的なツールであり、(まだ)メール添付の方が望ましいです。

お客様とはクラウドストレージで共有しています。

 

税務署(とTKC)はメールを使えないので、FAXでの連絡を希望されますが、「メールですと迅速に対応できます」とお伝えしています。

電子申告やモニタリングサービスを推進している官署・企業ですし、対応を望んでおります。

 

③税理士なのに事務所を借りていない

育児との両立を目的に独立しました(板倉事務所のポリシー参照)。

子どもと近い場所にいながら、関与先に対し価値を提供するために自宅の一部を事務所として使っています。

  • 通勤の移動時間をゼロにできる
  • 寝かしつけの後など、コマ切れで作業時間を確保できる
  • 子どものトラブル(発熱など)に対応できる

メリットの方が多いので、事務所を借りていません。

お打ち合わせはお客様の会社にご訪問がほとんどですし、商談などはスターバックスで行います。

今後、借りるとしても「お打ち合わせスペースを時間単位で」いうことで足りそうです。

「一等地に税理士事務所を構えて、高い家賃を払うことが信用に繋がる」という(人がはびこる)時代ではないのが嬉しいです。

 

④税理士なのに独自ドメインメールを使っていない

名刺にはいわゆる「フリーメール」を記載しています。

Gmailです。

TKC会員なので、@TKCNFと書かれているメールアドレスも保有しておりますが、TKC事務局からしか来ないメールについてもGmail転送にしています。

  • グーグルドライブなど拡張機能が便利
  • プロバイダメールにはサービス低下リスクや継続利用できないリスクを感じる(企業買収やプロバイダ事業休止など)
  • 関与先とはメールを利用していない(チャットツールを導入している)
  • TKCのメールアドレスはダサいと感じる(し、退会するかもしれないよね)

このような理由です。

固定電話や独自ドメインメールは「実利が少なく、見栄だなぁ」と感じます。

 

⑤税理士なのに万人が読みやすい名刺を使っていない

名刺については以前も記事にしました。

ご覧になっていただいてわかる通り、字が小さいです。

「大きな文字でゴシック体、フリガナ付き。電話番号も大きく載せてすぐ電話をもらえるようにするべき」

と、初対面の税理士(某県の女税幹部)に言われたことも。

私としては、

「活版印刷で、紙にもデザインにもこだわったこの名刺を好ましいと感じてくださる感性の方」と一緒に仕事をしたいと思っております。

 

お引き受けできるお客様に限りがあるため、字の大きさ、表示している情報でお客様をフィルタリングしています。

 

⑥税理士なのに価格表がない

こちらも記事にしたことがあります。

「統一的な値段をお示ししても責任を持ってお引き受けできる件数が限られていること」と、「どこまでお手伝いするかは会社によってニーズが違う」ことからお見積り自体がオーダーメイドとなるためです。

価格表を作ることのメリットも理解しておりますが、上記の理由により個別のお見積り制を取らせていただいております。

目の前のお客様にご納得いただく料金提示。

そこにフォーカスしています。

他方で、「新規のお客様に二の足を踏ませる問題」については意識しています。(意識したうえで、今のやり方に納得しています)

 

⑦税理士なのに従業員がいない

ひとり税理士という言葉があります。

雇われない、雇わない税理士のスタイルです。(参考図書

現在、私が主宰する合同会社アイタクト(コンサルティングなどを業務としています)には従業員がおりますが、税理士事務は補助者を置かず私一人で行っております。

品質保持、顧客数限定、提供価値向上のスピード感、育児との両立などのメリットを感じるからです。

(元労働基準監督署勤務の経験も踏まえ)今後も雇用情勢を考えると、労働集約型の税理士事務所にすることはリスクが大きいとも感じています。

「大手のスタッフがいる税理士事務所の方が安心感がある」という方が多くいらっしゃるのは知っています。でもその方々にお役立ちできないのは仕方ありません。

 

⑧税理士なのに電話に出ない

税務顧問契約書には、「電話は緊急時に限る」と入れるようにしています。

(もちろん、お客様の希望によっては電話対応を取り入れます。当然、お見積りも異なります。)

これは、チャットワークなどのITツールで連絡を取り合う環境が望ましいからです。

  • (電話をかけることで)リアル時間のアポなし拘束を回避できる
  • やり取りがタイムラインで読み返せる
  • やり取りがテキストデータで残る
  • 国税庁などの参考URLを貼れる
  • クラウドストレージのURLを貼れる
  • タスク設定などを見ていただける

電話だとこれらがすべてできません。

メールだとちょっとアクションが多くなりますし、タイムラインで読み返すのが難しくなったり、広告メールなどに埋もれたりすることも。

なので、独自ドメインのメールアドレスにはこだわらないのです。そこにこだわることが、ちょっと古い感じがします。

 

お客様にここまで協力していただいているので、会計ベンダーや取引銀行などにもご理解を求めています。(電話でしか連絡できない金融機関/独自ルールのメール作法を押し付ける金融機関はお客様にご紹介しておりません)

 

⑨税理士なのに交流会に出ない

異業種交流会、士業の交流会、TKCの懇親会…

いろいろな交流会があり、そこでビジネスチャンスをつかむ方もいるでしょう。

私の理解としては、

  • お客様との出会いの場である
  • 他士業との出会いの場である
  • 同業と盛り上がる

などを期待して参加される方が多いのかなぁと捉えています。(「夜の席は断らない」スタンスの方も税理士には多い気がします)

私の場合、まず原則として大勢が集まる夜の宴席には参加しません。(関与先との打ち合わせ兼懇親会は嬉しいです/事前に調整して子どものお世話の都合をつけて参加します)

大切な時間は、大切な方と少人数でしっかり語りたい。

 

  • お客様との出会いはブログやご紹介がほとんどです。
  • 頼れる他士業は、大学院の同窓・銀行勤務・労基署勤務など人脈で培っております。
  • 今、提携いただいている弁護士事務所・司法書士事務所・社労士事務所・行政書士事務所とはチャットツールで連絡を取り合える体制を構築しており、電話連絡が一切ありません。
  • 一番重要な税務も、独立前に所属していた鈴江誠税理士事務所との良好な関係を続けており、頼れる同業の先輩に複雑な税務判断の相談ができます。

 

なので、交流会には出ません。

夜更かしはコンディション低下するし、子どもの寝かしつけできないし、営業相手とみなされると「一度ご挨拶したい」という電話がかかってくるし。いいことがあまりありません。

育児中は、倫理法人会などの朝の活動も難しいです。

 

⑩「税理士なのに〇〇しない」に縛られない

「税理士なのに〇〇しない」は減点法思考

このように、板倉事務所は一般的な税理士像とは異なる事務所です。

電話やアポなし訪問の対応のためのリソースは無駄であると考え、実践しています。

それが可能となっている税理士業界に感謝するとともに、「税理士なのに〇〇しない」という指摘については割り切っているのです。

このような事務所のあり方について減点法でアドバイスくださる方もいらっしゃいます。

が、減点法でお付き合いが始まらない方は追いかけません。万人受けする事務所というのは終わりのないチャレンジであり、それを継続できるほど人生長くないと思っています。

他の税理士と一緒のパターンで安心することで、事務所経営について思考停止したくないのです。

注文の多い税理士事務所であり続けたいと思っています。

 

「人と同じ」を避けている理由

そもそもは、「同僚と一緒の考え方では家族を守れない」と考えたのがきっかけでした。

宮城県石巻労働基準監督署で震災対応の業務をしたときに感じたことです。

 

「転勤がある公務員では、災害の時に単身赴任しているかもしれない」

「今更、他の仕事なんて覚えられない。公務員はつぶしがきかないよ。」

という同僚の中で、税理士になることを決意しました。

仕事をしながら、育児をしながら合格した税理士資格です。

「税理士なのに…」という声に縛られないよう意識しています。

 

「人と同じ」は本質的?

  • お客様への価値提供
  • 家族との時間

固定電話なんて些末なことではなく、本質的に必要なことだけ考えることが大切なのはないでしょうか?

開業税理士となっても、私は「変わっていることを怖がらない生き方」を続けていきます。

これからも、それを理解してくださるお客様と仕事をしていきます。

 

【編集後記】

他方で、税理士なのに〇〇しているの?

というものにもこだわりがあります。

ここに書いた記事だけを読んだ方には、偏屈だなぁという印象を抱かれるかもしれません。

  • やらないと決めていること
  • やると決めていること

どちらもこだわることで、楽しんで税理士を続けることができるのではないでしょうか?

両方揃って板倉事務所です。会ってみると普通という声をよくいただきます(笑)

ちなみにやると決めていることは、「イクメン税理士の開業セミナー」でお伝えしております。

 

とある発言に示唆を受けて記事にしましたが、思っていることを整理できてよい機会でした。

 

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